副助詞とは

助詞は、その代表的なものに「てにをは」があり、その機能は、他の語との関係を示したり、語に一定の意味を添えたりします。

副助詞は助詞の種類のひとつであり、副助詞の<副>は「添える」という意味を持ち、種々の語に付いて、いろいろな意味を添える働きがあります。

古文の副助詞の代表的なものには、「だに・すら・さへ・のみ・ばかり・まで・など・し」があります。

今回は、接続助詞の「ばかり」「まで」「など」「し」について解説します。

副助詞「ばかり」「まで」「など」「し」の用法

副助詞「ばかり」には『程度・分量・時』『限定』の2つの用法があります。

副助詞「まで」には『限度』『程度』の2つの用法があります。

副助詞「など」には『例示』『婉曲』『引用』の3つの用法があります。

副助詞「し」には『強意』の用法があります。

副助詞「ばかり」の用法

副助詞「ばかり」の『程度・分量・時』用法

『程度・分量・時』は、程度や量、時をおおよそのものとして表す言い方です。

現代語訳は「~ほど」「~くらい」「~ごろ」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『程度・分量・時』

⑴ 夜中ばかりに人皆寝静まりはてて 〔今昔物語集〕

(現代語訳:夜中ごろに人が皆すっかり寝静まって)

⑵ 三寸ばかりなる人、いとうつくしうて居(ゐ)たり 〔竹取物語〕

(現代語訳:三寸ぐらいである人が、たいへんかわいらしい姿ですわっている)

⑶ 頸(くび)もちぎるばかり引きたるに 〔徒然草〕

(現代語訳:首もちぎれるほど引いたところ)

副助詞「ばかり」の『限定』用法

『限定』は、あるひとつのものに限定する言い方です。

現代語訳は「~だけ」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『限定』

⑴ 月影ばかりぞ、八重葎(やへむぐら)にもさはらず、さし入りたる 〔源氏物語〕

(現代語訳:月の光だけが、幾重にも茂った蔓草(つるくさ)にもさまたげられず、さしこんでいる)

⑵ 我ばかりかく思ふにや 〔徒然草〕

(現代語訳:私だけがこのように思うのだろうか)

副助詞「まで」の用法

副助詞「まで」の『限度』用法

『限度』は、動作・作用の及ぶ時間的・空間的な限度を表す言い方です。

現代語訳はそのまま「~まで」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『限度』

⑴ 夜ふくるまで酒飲み、物語して 〔伊勢物語〕

(現代語訳:夜の更けるまで酒を飲み交わし、おしゃべりをして)

⑵ 天(あま)飛ぶや鳥にもがもや都まで送り申(まを)して飛び帰るもの 〔万葉集〕

(現代語訳:鳥であったらいいなあ。都まで(あなたを)送り申しあげて飛んで帰ってくるのになあ)

副助詞「まで」の『程度』用法

『程度』は、動作・状態の及ぶ程度を表す言い方です。

現代語訳は「~ほど」「~くらい」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『程度』

⑴ 梅の木などには、かしがましきまでぞ鳴く 〔枕草子〕

(現代語訳:梅の木などには(うぐいすが)うるさいぐらいに鳴く)

⑵ わが宿は道もなきまで荒れにけりつれなき人を待つとせし間に 〔古今和歌集〕

(現代語訳:私の家は、(草が生い茂り)道も見えなくなるほどに荒れてしまったことだ。(あの)つれない人を待っていた間に))

副助詞「など」の用法

副助詞「など」の『例示』用法

『例示』は、主な一つ、二つの例をあげて、他にも類似のもののあることを示す言い方です。

現代語訳は「(たとえば)~など」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『例示』

⑴ 日入りはてて、風の音、虫の音(ね)など、はたいふべきにあらず 〔枕草子〕

(現代語訳:日がすっかり沈んで(から聞こえてくる)、風の音、虫の鳴く声などは、また言うまでもない(=たいそう趣がある))

副助詞「など」の『婉曲』用法

『婉曲』は、はっきり断定しないでやわらげて表現する言い方です。

現代語訳は「~など」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『婉曲』

⑴ いと寒きに、火など急ぎおこして 〔枕草子〕

(現代語訳:たいそう寒いときに、火などを急いでおこして)

副助詞「など」の『引用』用法

『引用』は、他の人の言葉などを使い、また、その内容がおおよそであることを表す言い方です。

現代語訳は「~などと」となります。

例文で確認してみましょう。

例文 『引用』

⑴ 「いざ、いと心やすき所にて、のどかに聞こえむ」など語らひ給へば 〔源氏物語〕

(現代語訳:「さあ、ほんとうに気楽な所で、のんびりとお話申し上げよう」などと(光源氏)がお誘いになると)

副助詞「し」の用法

副助詞の「し」は文の調子を整えたり、少し強調したい時に用いられます。

副助詞「し」の『強意』用法

『強意』は、少し強調した言い方です。

現代語訳をする場合、特に訳をする必要はありません。

例文で確認してみましょう。

例文 『強意』

⑴ 名に負はば いざこと問(と)はむ 都鳥(みやこどり) わが思(おも)ふ人は ありやなしやと 〔伊勢物語〕

(現代語訳:都という名を持っているのならば、さあ、たずねてみよう。都鳥よ、私の愛する人は、(都で)無事で過ごしているのか、いないのかと)

まとめ

今回学んだことをまとめます。

副助詞「ばかり」の用法と現代語訳

・接続助詞「ばかり」の2つの用法は『程度・分量・時』『限定』である。

・『程度・分量・時』 現代語訳:~ほど、~くらい

・『限定』 現代語訳:~だけ

副助詞「まで」の用法と現代語訳

・接続助詞「まで」の2つの用法は『限度』『程度』である。

・『限度』 現代語訳:~まで

・『程度』 現代語訳:~ほど、~くらい

副助詞「など」の用法と現代語訳

・接続助詞「など」の3つの用法は『例示』『婉曲』『引用』である。

・『例示』 現代語訳:(たとえば)~など

・『婉曲』 現代語訳:~など

・『引用』 現代語訳:~などと

副助詞「し」の用法と現代語訳

・接続助詞「し」の用法は『強意』である。

・『強意』 現代語訳:※特に訳さない

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