目次
- 1 助動詞とは
- 2 助動詞の配列順序について
- 3 『受身』『尊敬』『自発』『可能』の助動詞「る」「らる」
- 4 『使役』『尊敬』の助動詞「す」「さす」
- 5 『使役』『尊敬』の助動詞「しむ」
- 6 『打消』の助動詞「ず」
- 7 『過去』の助動詞「き」
- 8 『過去』『詠嘆』の助動詞「けり」
- 9 『完了』『強意』の助動詞「つ」
- 10 『完了』『強意』の助動詞「ぬ」
- 11 『完了』『存続』の助動詞「たり」
- 12 『完了』『存続』の助動詞「り」
- 13 『推量』の助動詞「む」「むず」
- 14 『過去推量』の助動詞「けむ」
- 15 『現在推量』の助動詞「らむ」
- 16 『反実仮想』の助動詞「まし」
- 17 『推定』『婉曲』の助動詞「めり」
- 18 『推定』の助動詞「らし」
- 19 『推量』の助動詞「べし」
- 20 『伝聞』『推定』の助動詞「なり」
- 21 『打消推量』『打消意志』の助動詞「じ」
- 22 『打消推量』『打消意志』の助動詞「まじ」
- 23 『希望(願望)』の助動詞「まほし」
- 24 『希望(願望)』の助動詞「たし」
- 25 『断定』の助動詞「なり」
- 26 『断定』の助動詞「たり」
- 27 『比況』の助動詞「ごとし」
- 28 最後に
助動詞とは
助動詞とは、動詞の末尾にくっつける語です。
動詞の末尾に助動詞がくっつくと、動作の状況や状態が変化したり、表現者(話し手や書き手)の気持ちや考えが付け加わります。
古典の主要な助動詞は28個あります。「る・らる・す・さす・しむ・ず・き・けり・つ・ぬ・たり・り・む・むず・けむ・らむ・まし・めり・らし・べし・なり・じ・まじ・まほし・たし・なり・たり・ごとし」です。
これら全ての助動詞の用法(+口語訳)や活用、接続について説明していきます。
助動詞の配列順序について
日本語では、肯定・否定・推量・断定などの判断を文末で表します。
そして、このような判断を表現するために、動詞の後に助動詞をいくつか連ねて付けることが行われます。
助動詞をいくつか連ねて付ける場合、助動詞の配列には一定の秩序があります。
普段、私たちは助動詞の配列を、自然に無自覚的に行って、日本語を喋り、書いていますが、助動詞の配列順序には、日本人の思考、あるいはものの見方の基本的な様式が示されています。
古文の助動詞の配列順序は次の表のようになります。
① 動作が自然的か、作為的かを表現する。
「す」「さす」は人為・作為を表現し、「る」「らる」は自然のままであることを表現します。この、「す」「さす」と「る」「らる」が動詞の直下に付くことは、日本語では、ある動作や判断をするとき、その動作・状態が人為・作為的なものであるか、自然のままのものであるかに最初に注目することを意味します。
② 敬意の有無を表明する
「動詞+①」という話題に対して、話し手が敬意を表明する段階です。
③ 動作の完了か存続かを示す
「動詞+①+②」となった事態を受けて、それが完了しているか、現に存続しているかを明示する段階です。動作の初め・進行中・終了という観点から動作・作用をとらえ、動作の進行中であることを示すのには「あり」から始まった「り」を使い、動作そのものが完了しているときには「つ」「ぬ」の仲間を使います。
④ 話し手の判断を示す
「動詞+①+②+③」によって確定された事態に対して、話し手による推量か、否定か、記憶(過去)かという判断が下されます。
本来日本人にとって、未来とは、主観的にとりとめもなく推量し意志するものだったため、日本語には未来形そのものは存在せず、その代わりに豊富な推量の語「む」「らむ」「けむ」「らし」「まし」「まじ」「べし」「まほし」「なり」が存在します。
「き」は、事件について自己の目で確かに見たこと、自己の記憶に確実であること、また、見ていなくても確実なことを示す助動詞です。
「けり」は、単に過去の記憶を表すのではなく、現在の時点で認識を新たにしたという意を表します。
⑤ 話し相手へ働きかける
①~④は、話し手の心の内部において完結する判断を示していました。⑤では、内心で下した判断を話す相手に働きかけて、これを動かそうとする部分になります。
この部分には、助詞が位置し、命令、質問、疑問、訴え、念を押す、教示、懇願、禁止などを表します。
(「…である」の意を表す『断定』の助動詞「なり」は、下に付けることで体言(名詞)相当の資格を持たせる機能を持つ語なので、①②③④のどこにでも置くことができます。)
日本人の思考の形式について考える
さて、助動詞の配列順序から、日本人の思考の形式としては、つぎのような意識が働いていると考えられます。
① それが人為的なものか、自然的なものかを区別し、
② それに対する敬語の有無を表現し、
③ それが完了しているか、現に存続しているか、確認できるかを明らかにし、
④ それが、推量であるか、否定であるか、記憶であるかを追加する
⑤ その上で、必要があれば相手に持ちかけていって命令や教示を行う
ちなみに、この①~⑤のうちどれかを省いても差し支えありません。例えば、①②④となったり、①②となることもあります。一方で、①②③④⑤の順番を逆転することはできません。
助動詞の配列順序と活用形
①は、未然・連用・終止・連体・已然・命令の活用を完備しています。③は、大部分完備しています。④は、活用が全く揃っていません。この理由は、常に下位に来て、そこで終止してしまうことが多いため、次の語に続ける必要がないからです。
それでは、古典の助動詞について一つずつ解説していきます。
『受身』『尊敬』『自発』『可能』の助動詞「る」「らる」
助動詞「る」「らる」の活用は、下二段活用になります。
助動詞「る」は「れ・れ・る・るる・るれ・れよ」と活用します。助動詞「らる」は「られ・られ・らる・らるる・らるれ・られよ」と活用します。
「る」「らる」は動詞の未然形に接続し、動詞の未然形の語尾がア段の音(四段活用、ナ変、ラ変)の場合は「る」を用い、それ以外は「らる」を用います。
助動詞「る」「らる」には4つの用法『受身』『尊敬』『自発』『可能』があります。
・助動詞「る」「らる」の『受身』用法
『受身』は、 他者からの動作や作用を受けることを言い表します。
現代語訳は「~れる」「~られる」となります。
⑴ 舎人(とねり)が、寝たる足を狐に食はる 〔徒然草〕
(現代語訳:舎人(=従者)が、寝ている足を狐に食われる。)
・助動詞「る」「らる」の『尊敬』用法
『尊敬』は、動作の主体に対する敬意を表します。
現代語訳は「~れる」「~られる」「お~になる」「~なさる」となります。
⑴ かの大納言、いづれの船にか乗らるべき 〔大鏡〕
(現代語訳:あの大納言は、どの船にお乗りになるのだろうか。)
・助動詞「る」「らる」の『自発』用法
『自発』は、自然に感覚が湧いてきたり、自分の意志とは関係なくひとりでに動作が実現する様子を表わします。
現代語訳は「~れる」「~られる」となります。
⑴ 今日は都のみぞ思ひやらるる 〔土佐日記〕
(現代語訳:今日は、都のことばかりが自然と思い出される。)
・助動詞「る」「らる」の『可能』用法
『可能』は、 何かを行うことが能力的に或いは状況的に可能であることを表わします。
現代語訳は「~れる」「~られる」「~ことができる」となります。
⑴ 知らぬ人の中にうち臥して、つゆまどろまれず 〔更級日記〕
(現代語訳:知らない人の中で横になって、まったく眠ることができない。)
更に詳しい解説は下記にて
『使役』『尊敬』の助動詞「す」「さす」
助動詞「す」「さす」の活用は、下二段活用になります。
助動詞「す」は「せ・せ・す・する・すれ・せよ」と活用します。助動詞「さす」は「させ・させ・さす・さする・さすれ・させよ」と活用します。
「す」「さす」は動詞の未然形に接続し、動詞の未然形の語尾がア段の音(四段活用、ナ変、ラ変)の場合は「す」を用い、それ以外は「さす」を用います。
助動詞「す」「さす」には2つの用法『使役』『尊敬』があります。
・助動詞「す」「さす」の『使役』用法
『使役』は、誰かが他者に命じて何かをやらせることを表わします。
現代語訳は「~せる」「~させる」となります。
⑴ 妻(め)の嫗(おうな)に預けて養わす 〔竹取物語〕
(現代語訳:妻である嫗に預けて、養わせる。)
・助動詞「す」「さす」の『尊敬』用法
『尊敬』は、動作の主体に対する敬意を表します。
現代語訳は「~れる」「~られる」「お~になる」「~なさる」となります。
⑴ いとこまやかに有様問わせ給ふ 〔源氏物語〕
(現代語訳:たいそうこまごまと様子をお尋ねになられる。)
更に詳しい解説は下記にて
『使役』『尊敬』の助動詞「しむ」
助動詞「しむ」の活用は、下二段活用で、「しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ」と活用します。
助動詞「しむ」は用言の未然形に接続します。
助動詞「しむ」には2つの用法『使役』『尊敬』があります。
・助動詞「しむ」の『使役』用法
『使役』は、誰かが他者に命じて何かをやらせることを表わします。
現代語訳は「~せる」「~させる」となります。
⑴ この幣(ぬさ)の散る方(かた)に、御船すみやかに漕がしめたまへ 〔土佐日記〕
(現代語訳:この幣(=神へのささげ物)の散るほうへ、御船を速く漕がせてください)
・助動詞「しむ」の『尊敬』用法
『尊敬』は、動作の主体に対する敬意を表します。
現代語訳は「~れる」「~られる」「お~になる」「~なさる」となります。
⑴ おほやけも行幸せしめ給ふ 〔大鏡〕
(現代語訳:天皇もお出ましなされる)
更に詳しい解説は下記にて
『打消』の助動詞「ず」
助動詞「ず」 の活用は、特殊型で本活用と補助活用があります。
本活用は「〇・ず・ず・ぬ・ね・〇」と補助活用は「ざら・ざり・〇・ざる・ざれ・ざれ」と活用します。
助動詞「ず」は活用語の未然形に接続します。
・助動詞「ず」の『打消』用法
『打消』は、動詞が表す動作・作用・存在・状態などを否定します。
現代語訳は「~ぬ」「~ない」となります。
⑴ 故里(ふるさと)となりしに奈良の都にも色は変はらず花は咲きけり 〔古今和歌集〕
(現代語訳:旧都となってしまった奈良の都にも色は変わらないで花は咲いたことだ)
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『過去』の助動詞「き」
助動詞「き」 の活用は「(せ)・〇・き・し・しか・〇」と特殊な活用をします。
助動詞「き」は活用語の連用形に接続します。
・助動詞「き」の『過去』用法
『過去』は、動作・作用・状態などがすでに行われたものとして表す言い方です。
現代語訳は「~た」となります。
⑴ 鬼のやうなるもの出で来て殺さむとしき 〔竹取物語〕
(現代語訳:鬼のようなものが出て来て殺そうとした)
更に詳しい解説は下記にて
『過去』『詠嘆』の助動詞「けり」
助動詞「けり」 の活用は、ラ変型で「(けら)・〇・けり・ける・けれ・〇」と活用します。
助動詞「けり」は活用語の連用形に接続します。
・助動詞「けり」の『過去』用法
『過去』は、動作・作用・状態などがすでに行われたものとして表す言い方です。
現代語訳は「~た」となります。
⑴ 今は昔、竹取の翁といふ者ありけり 〔竹取物語〕
(現代語訳:今はもう昔のことだが、竹取の翁という者がいた)
・助動詞「けり」の『詠嘆』用法
『過去』は、深く心に感じた事を表現する言い方です。
現代語訳は「~たのだなぁ」となります。
⑴ 竜は鳴る神の類にこそありけれ 〔竹取物語〕
(現代語訳:竜は雷神の仲間であったのだなぁ)
更に詳しい解説は下記にて
『完了』『強意』の助動詞「つ」
助動詞「つ」 の活用は、下二段活用で、「て・て・つ・つる・つれ・てよ」と活用します。
助動詞「つ」は用言および助動詞の連用形に接続します。
・助動詞「つ」の『完了』用法
『過去』は、動作・作用がその時点においてすでに終了していること、動作・作用の終了した結果が存在していること、また、動作・状態などなお継続していることなどを表わす言い方です。
現代語訳は「~た」「~てしまった」となります。
⑴ 秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ 〔竹取物語〕
(現代語訳:秋田は、(かぐや姫に)なよ竹のかぐや姫と(いう名前を)付けた)
・助動詞「つ」の『強意』用法
『強意』は、ある部分の意味を強めて表現する言い方です。
現代語訳は「きっと」となります。
⑶ 船子どもは、腹鼓(はらつづみ)をうちて、海をさへ驚かして、波立てつべし。
(現代語訳:水夫たちは、腹鼓をうって、海までびっくりさせて、きっと波を立ててしまうだろう。)
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『完了』『強意』の助動詞「ぬ」
助動詞「ぬ」の活用はナ変型で、「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」と活用します。
助動詞「ぬ」は活用語の連用形に接続します。
・助動詞「ぬ」の『完了』用法
『完了』は、動作・作用がその時点においてすでに終了していること、動作・作用の終了した結果が存在していること、また、動作・状態などなお継続していることなどを表わす言い方です。
現代語訳は「~た」「~てしまった」となります。
⑴ 翁、竹を取ること久しくなりぬ 〔竹取物語〕
(現代語訳:翁が竹を取ることが長く続いた)
・助動詞「ぬ」の『強意』用法
『強意』は、ある部分の意味を強めて表現する言い方です。
現代語訳は「きっと」となります。
⑴ 清見(きよみ)が関の波も高くなりぬべし。
(現代語訳:清見が関の波もきっと高くなるだろう。)
更に詳しい解説は下記にて
『完了』『存続』の助動詞「たり」
助動詞「たり」 の活用は、ラ変型で「たら・たり・たり・たる・たれ・たれ」と活用します。
助動詞「たり」は動詞と助動詞の連用形に接続します。
・助動詞「たり」の『完了』用法
『完了』は、動作・作用がその時点においてすでに終了していること、動作・作用の終了した結果が存在していること、また、動作・状態などなお継続していることなどを表わす言い方です。
現代語訳は「~た」「~てしまった」となります。
⑴ 女の兄人(せうと)、にはかに迎へに来たり 〔伊勢物語〕
(現代語訳:女の兄が急に迎えに来た。)
・助動詞「たり」の『存続』用法
『存続』は、ある部分の意味を強めて表現する言い方です。
現代語訳は「~ている」「~てある」となります。
⑴ かきつばたいとおもしろく咲きたり 〔伊勢物語〕
(現代語訳:かきつばたがたいそう美しく咲いている)
更に詳しい解説は下記にて
『完了』『存続』の助動詞「り」
助動詞「り」 の活用は、ラ変型で「ら・り・り・る・れ・れ」と活用します。
助動詞「り」は四段動詞の已然形、およびサ変動詞の未然形に接続します。
・助動詞「り」の『完了』用法
『完了』は、動作・作用がその時点においてすでに終了していること、動作・作用の終了した結果が存在していること、また、動作・状態などなお継続していることなどを表わす言い方です。
現代語訳は「~た」「~てしまった」となります。
⑴ 五十の春を迎へて、家を出で世を背けり。 〔方丈記〕
(現代語訳:五十歳の春を迎えて、家を出て出家した。)
・助動詞「り」の『存続』用法
『存続』は、ある部分の意味を強めて表現する言い方です。
現代語訳は「~ている」「~てある」となります。
⑴ 上中下(かみなかしも)、酔(ゑ)ひ飽きて、いとあやしく塩海(しほうみ)のほとりにてあざれ合へり 〔土佐日記〕
(現代語訳:上・中・下の身分の者が十分に酔って、たいそう不思議にも、(物が腐るはずのない塩辛い)海のほとりでふざけあっている)
更に詳しい解説は下記にて
『推量』の助動詞「む」「むず」
助動詞「む(ん)」の活用は、四段活用で「〇・〇・む(ん)・む(ん)・め・〇」と活用します。
助動詞「むず(んず)」の活用は、サ行変格活用で「むず(んず)」は「〇・〇・むず(んず)・むずる(んずる)・むずれ(んずれ)・〇」と活用します。
助動詞「む」「むず」は活用語の未然形に接続します。
助動詞「む」「むず」には『推量』『意志』『適当』『勧誘』『仮定(仮想)』『婉曲』の6つの用法があります。
・助動詞「む」「むず」の『推量』用法
『推量』は、実現していないことや確かでないことを予想的にいう言い方です。
現代語訳は「~だろう」となります。
⑴ 今日か来む明日かも来むと家人(いえびと)は待ち恋ふらむに 〔万葉集〕
(現代語訳:今日来るだろうか、明日来るだろうかと家族は待ちこがれているだろうに)
・助動詞「む」「むず」の『意志』用法
『意志』は、話し手のある事を実現させようとする意向を表わす言い方です。
現代語訳は「~よう」「~つもりだ」となります。
⑴ いづちもいづちも、足の向きたらむ方(かた)へ住(い)なむず 〔竹取物語〕
(現代語訳:どこへなりとも、足が向いたら、そのほうへ行こう。)
・助動詞「む」「むず」の『適当』用法
『適当』は、その場の、またはあるべき状態・性質・条件などにぴったりと合っているという解釈を表現する言い方です。
現代語訳は「~がよい」となります。
⑴ 暗さは暗し、いかがせんずる 〔平家物語〕
(現代語訳:暗さは真っ暗である、どうするのがよいだろうか)
・助動詞「む」「むず」の『勧誘』用法
『勧誘』は、相手に勧めて誘う言い方です。
現代語訳は「~てはいかが」となります。
⑴ 忍びては参りたまひなむや 〔源氏物語〕
(現代語訳:こっそりと参内なさったらいかがでしょうか)
・助動詞「む」「むず」の『仮定(仮想)』用法
『仮定(仮想)』は、事実に関係なく仮に想定していう言い方です。
現代語訳は「~としたら」となります。
⑴ 思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ 〔枕草子〕
(現代語訳:かわいがっているような子を僧にするとしたら、それはつらいことである)
・助動詞「む」「むず」の『婉曲』用法
『婉曲』は、はっきり断定しないでやわらげて表現する言い方です。
現代語訳は「~ような」となります。
⑴ 人はかたりあり様のすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ 〔徒然草〕
(現代語訳:人間は容貌や風姿のすぐれているようなことこそ望ましいことだろう)
更に詳しい解説は下記にて
『過去推量』の助動詞「けむ」
助動詞「けむ(らん)」は四段活用で「〇・〇・けむ(けん)・けむ(けん)・けめ・〇」と活用します。(「む」は表記・発音上「ん」と記されることもあります。)
助動詞「けむ」は活用語の連用形に接続します。
助動詞「けむ」には3つの用法『過去推量』『過去の原因推量』『過去の伝聞・婉曲』があります。
・助動詞「けむ」の『過去推量』用法
『過去推量』は、過去の事柄について推量していう言い方です。
現代語訳は「~しただろう」となります。
⑴ 昔こそ難波(なには)田舎(ゐなか)と言はれけめ今は京(みやこ)引き都びにけり 〔万葉集〕
(現代語訳:昔こそ難波田舎と言われただろうが、今は都を移して都らしくなったことだ)
・助動詞「けむ」の『過去の原因推量』用法
『過去の原因推量』は、過去の事柄についてその原因を推量する時の言い方です。
現代語訳は「(どうして)~たのだろう」となります。
⑴ 京や住み憂かりけむ、あづまの方に行きて、住み所もとむとて 〔伊勢物語〕
(現代語訳:京が住みづらかったのだろうか、東国の方へ行って、住むところをさがし求めるということで)
・助動詞「けむ」の『過去の伝聞・婉曲』用法
『過去の伝聞・婉曲』は、人から聞いて知っている過去の事柄を言ったり、はっきり断言しないでやわらげて表現したりする時の言い方です。
現代語訳は「~たとかいう」「~たような」となります。
⑴ 「寝くたれ髪を」と人丸が詠みけむほどなど思ふに 〔枕草子〕
(現代語訳:「寝くたれ髪を」と人麻呂が詠んだという(その時の)光景などを想像すると)
更に詳しい解説は下記にて
『現在推量』の助動詞「らむ」
助動詞「らむ(らん)」は四段活用で「〇・〇・らむ(らん)・らむ(らん)・らめ・〇」と活用します。(「む」は表記・発音上「ん」と記されることもあります。)
助動詞「らむ」は活用語の終止形に接続します。(ただし、ラ変型に活用する語には連体形に接続する。)
助動詞「らむ」には3つの用法『現在推量』『現在の原因推量』『現在の伝聞・婉曲』があります。
・助動詞「らむ」の『現在推量』用法
『現在推量』は、現在起こっているけれども、自分の目の前にない事柄について推量していう言い方です。
現代語訳は「今ごろ~しているだろう」となります。
⑴ 袖ひちてむすびし水の凍れるを春立つ今日の風やとくらむ 〔古今和歌集〕
(現代語訳:袖がぬれるまでにして手ですくった水が冬の間凍っていたのを、立春の今日の風が溶かしているのだろう)
・助動詞「らむ」の『現在の原因推量』用法
『現在の原因推量』は、自分の目の前で起きている事柄についてその原因を推量する時の言い方です。
現代語訳は「(どうして)~しているのだろう」となります。
⑴ 春霞なに隠すらむさくら花散る間をだにも見るべきものを 〔古今和歌集〕
(現代語訳:春霞はどうして(桜の花を)隠しているのだろう。せめて桜の花が散る間だけでも見ようと思っているのに)
・助動詞「らむ」の『現在の伝聞・婉曲』用法
『現在の伝聞・婉曲』は、人から聞いて知っている現在の事柄を言ったり、はっきり断言しないでやわらげて表現したりする時の言い方です。
現代語訳は「~とかいう」「~ような」となります。
⑴ 生きてあらむ限りは、かくありて、蓬莱(ほうらい)といふらむ山に逢ふや 〔竹取物語〕
(現代語訳:生きている限り、こうやって船を進めていれば、きっと(現在)人々が蓬莱といっているような山に辿り着けるだろう)
更に詳しい解説は下記にて
『反実仮想』の助動詞「まし」
助動詞「まし」 は「ましか(ませ)・〇・まし・まし・ましか・〇」と特殊な活用をします。
助動詞「まし」は活用語の未然形に接続します。
助動詞「まし」には3つの用法『反実仮想』『ためらいの意志』『反実希望』があります。
・助動詞「まし」の『反実仮想』用法
『反実仮想』は、事実と反対のことを仮に想像し、その仮定の上に立って推量する言い方です。
現代語訳は「もし~としたら、~だろうに」となります。
⑴ 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 〔古今和歌集〕
(現代語訳:世の中にもしまったく桜がなかったとしたら、春の人の心はのどかだっただろうに)
・助動詞「まし」の『ためらいの意志』用法
『ためらいの意志』は、ためらい(=迷いや躊躇)を含んだ希望や意志を述べる言い方です。
現代語訳は「~しようかしら」となります。
⑴ 「これに何を書かまし」などのたまはせしを 〔枕草子〕
(現代語訳:「これに何を書こうかしら」などとおっしゃったが)
・助動詞「まし」の『反実希望』用法
『反実希望』は、事実と反対のことと分かっていながら希望する言い方です。
現代語訳は「~であれば(よいのに)」となります。
⑴ 見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむのちぞ咲かまし 〔古今和歌集〕
(現代語訳:見にくる人もいない山里の桜よ。いっそのこと、ほかの桜が散ってしまうであろう(その)あとにこそ咲いたらよいのに)
更に詳しい解説は下記にて
『推定』『婉曲』の助動詞「めり」
助動詞「めり」 の活用はラ変型で「〇・めり・めり・める・めれ・〇」とラ活用します。
助動詞「めり」は活用語の終止形に接続します。(ただし、ラ変型に活用する語には連体形に接続する。)
助動詞「めり」には2つの用法『推定』『婉曲』があります。
・助動詞「めり」の『推定』用法
『推定』は、根拠があって何かを推量する言い方です。
現代語訳は「~と見える」「~ようだ」となります。
⑴ 皮衣(かはぎぬ)を見ていはく、「うるはしき皮なめり」 〔竹取物語〕
(現代語訳:皮衣を見て言うことには、「りっぱな皮であるように見える」)
・助動詞「めり」の『婉曲』用法
『婉曲』は、はっきり断定しないでやわらげて表現する言い方です。
現代語訳は「~ようだ」となります。
⑴ 「もののあはれは空きこそまされ」と、人ごとに言ふめれど 〔徒然草〕
(現代語訳:「しみじみとした情趣は秋がまさっている」と、だれでも言うようだが)
更に詳しい解説は下記にて
『推定』の助動詞「らし」
助動詞「らし」 の活用は、「〇・〇・らし・らし・らし・〇」と特殊な活用をします。
助動詞「らし」は活用語の終止形に接続します。(ただし、ラ変型に活用する語には連体形に接続する。)
・助動詞「らし」の『推定』用法
『推定』は、根拠があって何かを推量する言い方です。
現代語訳は「~らしい」となります。
⑴ 深山(みやま)には霰(あられ)降るらし外山なるまさきの葛(かづら)色づきにけり 〔古今和歌集〕
(現代語訳:奥山では霰が降っているらしい。人里近くの山にあるまさきの葛(=植物の名)が色づいてしまったなぁ)
更に詳しい解説は下記にて
『推量』の助動詞「べし」
助動詞「べし」 の活用は、形容詞型で本活用と補助活用があります。
本活用は「〇・べく・べし・べき・べけれ・〇」と補助活用は「べから・べかり・〇・べかる・〇・〇」と活用します。
助動詞「べし」は活用語の終止形に接続します。(ただし、ラ変型に活用する語には連体形に接続する。)
助動詞「べし」には『推量』『意志』『可能』『当然』『命令』『適当』『予定』の7つの用法があります。
・助動詞「べし」の『推量』用法
『推量』は、実現していないことや確かでないことを予想的にいう言い方です。
現代語訳は「~だろう」となります。
⑴ 男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ 〔伊勢物語〕
(現代語訳:男が病気になって、気分が(悪くて)死ぬにちがいないと思われたので)
・助動詞「べし」の『意志』用法
『意志』は、話し手のある事を実現させようとする意向を表わす言い方です。
現代語訳は「~よう」「~つもりだ」となります。
⑴ この一矢(ひとや)に定むべしと思へ 〔徒然草〕
(現代語訳:この一矢できめようと思え)
・助動詞「べし」の『可能』用法
『可能』は、そうすることができるという意を表す言い方です。
現代語訳は「~できる」となります。
⑴ さりぬべき折をも見て、対面すべくたばかれ 〔源氏物語〕
(現代語訳:適当な機会をも見つけて、逢うことができるように工夫しろ)
・助動詞「べし」の『当然』用法
『当然』は、あたりまえであることやもっともであることについていう言い方です。
現代語訳は「~べきだ」「~はずだ」となります。
⑴ 藤波の先行く見ればほととぎす鳴くべき時に近づきにけり 〔万葉集〕
(現代語訳:藤の花が次々に咲いていくのを見ると、ほととぎすが鳴くはずの時節に近づいてしまったのだなぁ)
・助動詞「べし」の『命令』用法
『命令』は、ある行為を行うように言いつける言い方です。
現代語訳は「~せよ」「~なさい」となります。
⑴ 頼朝が首をはねて、わが墓の前にかくべし 〔平家物語〕
(現代語訳:頼朝の首をはねて、わが墓の前につるせ)
・助動詞「べし」の『適当』用法
『適当』は、その場の、またはあるべき状態・性質・条件などにぴったりと合っているという解釈を表現する言い方です。
現代語訳は「~がよい」となります。
⑴ 家の作りやうは、夏をむねとすべし 〔徒然草〕
(現代語訳:家の作りかたは、夏(に適すること)を主とするのがよい)
・助動詞「べし」の『予定』用法
『予定』は、あらかじめ決めておいたことについてにいう言い方です。
現代語訳は「~ことになっている」となります。
⑴ 舟に乗るべき所へ渡る 〔土佐日記〕
(現代語訳:舟に乗ることになっている所へ移動する)
更に詳しい解説は下記にて
『伝聞』『推定』の助動詞「なり」
助動詞「なり」 の活用はラ変型で「〇・(なり)・なり・なる・なれ・〇」と活用します。
助動詞「なり」は用言および助動詞の終止形に接続します。(ラ変型活用の語にのみ連体形に接続する。)
助動詞「なり」には2つの用法『伝聞』『推定』があります。
・助動詞「なり」の『伝聞』用法
『伝聞』は、人から話やうわさを伝え聞いた時に用いる言い方です。
現代語訳は「~という」「~そうだ」となります。
⑴ 男もすなる日記(にき)といふものを、女もしてみむとてするなり 〔土佐日記〕
(現代語訳:男も書くものと聞いている日記というものを、女のわたしも書いてみようと思って、書くのである)
・助動詞「なり」の『推定』用法
『推定』は、根拠があって何かを推量する言い方です。
現代語訳は「~ようだ」となります。
⑴ 吉野なる菜摘の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山陰にして 〔万葉集〕
(現代語訳:吉野にある菜摘川の淀みで鴨が鳴いているようだ。山の陰のあたりで)
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『打消推量』『打消意志』の助動詞「じ」
助動詞「じ」 の活用は、「〇・〇・じ・じ・じ・〇」と特殊な活用をします。
助動詞「じ」は活用語の未然形に接続します。
助動詞「じ」には2つの用法『打消推量』『打消意志』があります。
・助動詞「じ」の『打消推量』用法
『推量』は、実現していないことや確かでないことを予想的にいう言い方で、『打消推量』は、話し手や書き手の否定的な『推量』を表わします。
現代語訳は「~ないだろう」「~まい」となります。
⑴ 一生の恥、これに過ぐるはあらじ 〔竹取物語〕
(現代語訳:一生の恥で、これいじょうのものはないだろう(あるまい))
・助動詞「じ」の『打消意志』用法
『意志』は、話し手のある事を実現させようとする意向を表わす言い方で、『打消意志』は、話し手や書き手の否定的な『意志』を表わします。
現代語訳は「~ないつもりだ」「~まい」となります。
⑴ さらば御供には率て行かじ 〔竹取物語〕
(現代語訳:それならばお供には連れて行かないつもりだ)
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『打消推量』『打消意志』の助動詞「まじ」
助動詞「まじ」 の活用は、形容詞型で本活用と補助活用があります。
本活用は「(まじく)・まじく・まじ・まじき・まじけれ・〇」と補助活用は「まじから・まじかり・〇・まじかる・〇・〇」と活用します。
助動詞「まじ」は活用語の終止形に接続します。(ただし、ラ変型に活用する語には連体形に接続する。)
助動詞「まじ」には、6つの用法『打消推量』『打消意志』『不可能』『打消当然』『禁止』『不適当』があります。
・助動詞「まじ」の『打消推量』用法
『推量』は、実現していないことや確かでないことを予想的にいう言い方で、『打消推量』は、話し手や書き手の否定的な『推量』を表わします。
現代語訳は「~ないだろう」「~まい」となります。
⑴ 唐(から)のものは、薬のほかは、なくとも事欠くまじ 〔徒然草〕
(現代語訳:中国のものは、薬以外は、なくても不自由しないだろう)
・助動詞「まじ」の『打消意志』用法
『意志』は、話し手のある事を実現させようとする意向を表わす言い方で、『打消意志』は、話し手や書き手の否定的な『意志』を表わします。
現代語訳は「~ないつもりだ」「~まい」となります。
⑴ 我が身は女なりとも、敵の手にはかかるまじ 〔平家物語〕
(現代語訳:我が身は女であっても、敵の手にはかからないつもりだ)
・助動詞「まじ」の『不可能』用法
『不可能』は、そうすることができないという意を表す言い方です。
現代語訳は「~ことができない」「~ことができそうにない」となります。
⑴ 人のたはやすく通ふまじからむ所に、跡を絶えて籠り居なむと思ひ侍るなり 〔堤中納言物語〕
(現代語訳:人が簡単に立ち入ることができないようなところに、世の中から消息を絶って篭りたいと思っているのです)
・助動詞「まじ」の『打消当然』用法
『打消当然』は、当然そうではないという話し手や書き手の判断を表わします。
現代語訳は「~はずがない」「~べきでない」となります。
⑴ さる人あるまじければ 〔徒然草〕
(現代語訳:そのような(気の合う)人はいるはずがないから)
・助動詞「まじ」の『禁止』用法
『禁止』は、してはいけないと命ずる言い方です。
現代語訳は「~するな」「~てはいけない」となります。
⑴ 「童(わらは)よりほかにはすべて入るまじ」と戸を押さへて 〔枕草子〕
(現代語訳:「子ども以外は誰も入ってはいけない」と戸を押さえて)
・助動詞「まじ」の『不適当』用法
『不適当』は、そうならない方が良いという判断を表わす言い方です。
現代語訳は「~ないのがよい」となります。
⑴ 妻(め)といふものこそ、男(をのこ)の持つまじきものなれ 〔徒然草〕
(現代語訳:妻というものこそ、男がもたないほうがよいものである)
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『希望(願望)』の助動詞「まほし」
助動詞「まほし」 の活用は、形容詞型で本活用と補助活用があります。
本活用は「(まほしく)・まほしく・まほし・まほしき・まほしけれ・〇」と補助活用は「まほしから・まほしかり・〇・まほしかる・〇・〇」と活用します。
助動詞「まほし」は動詞及び助動詞の未然形に接続します。
・助動詞「まほし」の『希望』用法
『希望』とは、ある動作・作用が実現することを願い望む意を表す言い方です。
現代語訳は「~たい」「~てほしい」となります。
⑴ いかなる人なりけん、尋ね聞かまほし 〔徒然草〕
(現代語訳:どのような人であったのだろう、尋ねて聞きたい)
更に詳しい解説は下記にて
『希望(願望)』の助動詞「たし」
助動詞「たし」 の活用は、形容詞型で本活用と補助活用があります。
本活用は「(たく)・たく・たし・たき・たけれ・〇」と補助活用は「たから・たかり・〇・たかる・〇・〇」と活用します。
助動詞「たし」は動詞及び助動詞の連用形に接続します。
・助動詞「たし」の『希望』用法
『希望』とは、ある動作・作用が実現することを願い望む意を表す言い方です。
現代語訳は「~たい」「~てほしい」となります。
⑴ 屋島へ帰りたくは、一門の中へ言ひ送って、三種の神器を都へ返し入れ奉れ 〔平家物語〕
(現代語訳:屋島へ帰りたいなら、(平家)一門の中へ連絡して、三種の神器を都へお返し入れ申しあげよ)
更に詳しい解説は下記にて
『断定』の助動詞「なり」
助動詞「なり」 の活用はラ変型で、「なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ」と活用します。
助動詞「なり」は名詞(体言)、活用語(動詞、形容詞、形容動詞、助動詞)、副詞、助詞に接続します。
・助動詞「なり」の『断定』用法
『断定』とはある物事を、そうだ、そうであるというように確定判断することを表す言い方です。
現代語訳は「~だ」「~である」となります。
⑴ 三月(やよひ)のつごもりなれば、京の花、盛りは皆過ぎにけり 〔源氏物語〕
(現代語訳:陰暦三月の末日であるので、京の桜の花は、盛りは皆過ぎてしまった)
更に詳しい解説は下記にて
『断定』の助動詞「たり」
助動詞「たり」 の活用はラ変型で、「たら・たり/に・たり・たる・たれ・たれ」と活用します。
助動詞「たり」は名詞(体言)に接続します。
・助動詞「たり」の『断定』用法
『断定』とはある物事を、そうだ、そうであるというように確定判断することを表す言い方です。現代語訳は「~だ」「~である」となります。
⑴ 清盛(きよもり)、嫡男たるによって、その跡をつぐ 〔平家物語〕
(現代語訳:清盛は、正式の長男であることによって、その(死んだ父の)家督を継ぐ)
更に詳しい解説は下記にて
『比況』の助動詞「ごとし」
助動詞「ごとし」 の活用は、形容詞型で、「(ごとく)・ごとく・ごとし・ごとき・〇・〇」と活用します。
助動詞「ごとし」は⑴活用語(動詞、助動詞、形容詞、形容動詞)の連体形、またはそれに助詞の「が」の付いたもの、⑵名詞(体言)に直接接続する、あるいは名詞(体言)に助詞「が」「の」が付いたものに接続します。
・助動詞「ごとし」の『比況』用法
『比況』とは、ある事柄を何かにたとえる言い方です。現代語訳は「(まるで)~ようだ」「~ような」となります。
⑴ おごれる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし 〔平家物語〕
(現代語訳:驕(おご)り高ぶった人も長く続くものではなく、(そのはかなさは)まるで春の夜の夢のようだ)
更に詳しい解説は下記にて
最後に
古文の助動詞の配列や、主要な助動詞全てについて解説しました。
助動詞ひとつひとつの更に詳しい解説がリンク先にありますので、そちらを確認して理解を深めるようにしてください。