格助詞とは

助詞は、その代表的なものに「てにをは」があり、その機能は、他の語との関係を示したり、語に一定の意味を添えたりします。

格助詞は、助詞の種類のひとつであり、その助詞の付いた語が、文中でどういう資格になるかを示す働きがあります。

古文の格助詞の代表的なものには、「が・の・を・に・へ・と・より・から・にて・して」があります。

古文の格助詞は、現代語の格助詞と共通する部分が多いので比較的容易に理解することが可能です。

今回は、格助詞の「より」「から」について解説します。

格助詞の接続

格助詞は、体言や活用語(動詞や助動詞、形容詞、形容動詞)の連体形に接続します。

次に、格助詞「より」「から」の用法を学びましょう。

格助詞「より」「から」の用法

格助詞「より」「から」には、共通する『起点』『経由点』『手段・方法』『原因・理由』の用法があります。

さらに、格助詞「より」には『比較の基準』『即時』の用法があります。

格助詞「より」の用法

格助詞「より」には、『起点』『経由点』『手段・方法』『原因・理由』『比較の基準』『即時』の6つの用法があります。

格助詞「より」の『起点』用法

起点とは、格助詞の付いた語が起点になることを示します。

現代語訳は「~から」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『起点』

⑴ 大津より浦戸(うらど)をさして漕(こ)ぎ出(い)づ 〔土佐日記〕

(現代語訳:大津から浦戸を目指して漕ぎ出す)

格助詞「より」の『経由点』用法

経由点とは、格助詞の付いた語が経由点になることを示します。

現代語訳は「~を通って」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『経由点』

⑴ 荒れたる板屋の隙(ひま)より、月の漏り来て 〔更級日記〕

(現代語訳:荒れ果てた板屋の隙間を通って、月光がもれてきて)

格助詞「より」の『手段・方法』用法

手段・方法とは、格助詞の付いた語が手段・方法になることを示します。

現代語訳は「~で」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『手段・方法』

⑴ ただ一人徒歩(かち)よりまうでけり 〔徒然草〕

(現代語訳:ただ一人、徒歩参詣(さんけい)した)

格助詞「より」の『原因・理由』用法

原因・理由とは、格助詞の付いた語が原因・理由になることを示します。

現代語訳は「~ので」「~によって」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『原因・理由』

⑴ 「あな、かひなのわざや」とのたまひけるよりぞ、思ふに違(たが)ふことをば、かひなしとは言ひける 〔竹取物語〕

(現代語訳:「ああ、(子安貝がなく苦心した)甲斐(かい)がないことだ」とおっしゃったので、期待に反することを、かいなしとは言ったのであった)

格助詞「より」の『比較の基準』用法

比較の基準とは、格助詞の付いた語が比較の基準になることを示します。

現代語訳は「~より」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『比較の基準』

⑴ その人かたちよりは心なむまさりたりける 〔伊勢物語〕

(現代語訳:その人は容貌よりは心がすぐれているのであった)

格助詞「より」の『即時』用法

即時とは、動作が即時に続いて行われることを表します。

現代語訳は「~するとすぐに」「~するやいなや」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『即時』

⑴ 名を聞くより、やがて面影(おもかげ)は推しはからるる心地するを 〔徒然草〕

(現代語訳:名を聞くやいなや、すぐに(その人の)顔つきは見当をつけられる気がするが)

格助詞「から」の用法

格助詞「から」には、『起点』『経由点』『手段・方法』『原因・理由』の4つの用法があります。

格助詞「から」の『起点』用法

起点とは、格助詞の付いた語が起点になることを示します。

現代語訳はそのまま「~から」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『起点』

⑴ 去年(こぞ)から山ごもりして侍るなり 〔蜻蛉日記〕

(現代語訳:去年から山ごもりしているのでございます)

格助詞「から」の『経由点』用法

経由点とは、格助詞の付いた語が経由点になることを示します。

現代語訳は「~を通って」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『経由点』

⑴ 月夜(つくよ)よみ妹(いも)に逢(あ)はむと直道(ただち)からわれは来つれど夜そふけにける 〔万葉集〕

(現代語訳:月がよいので、あの娘に逢おうと近道を通って私は来たけれども、夜がふけてしまったことだ)

格助詞「から」の『手段・方法』用法

手段・方法とは、格助詞の付いた語が手段・方法になることを示します。

現代語訳は「~で」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『手段・方法』

⑴ 徒(かち)からまかりて、いひ慰め侍らむ 〔落窪物語〕

(現代語訳:徒歩参って、話をして慰めましょう)

格助詞「から」の『原因・理由』用法

原因・理由とは、格助詞の付いた語が原因・理由になることを示します。

現代語訳は「~ので」「~によって」となります。

例文で確認してみましょう。

例文『原因・理由』

⑴ 長しとも思ひぞはてぬ昔よりあふひとからの秋の夜なれば 〔古今和歌集〕

(現代語訳:(秋の夜が)一概に長いとも思いきれない。昔から逢う人によって(短くも長くも感じられる)秋の夜なのだから)

まとめ

今回学んだことをまとめます。

格助詞「より」

・格助詞「より」の6つの用法は『起点』『経由点』『手段・方法』『原因・理由』『比較の基準』『即時』である。

格助詞「より」の用法と現代語訳

・『起点』 現代語訳:~から

・『経由点』 現代語訳:~を通って

・『手段・方法』 現代語訳:~で

・『原因・理由』 現代語訳:~ので、~によって

・『比較の基準』 現代語訳:~より

・『即時』 現代語訳:~するとすぐに、~するやいなや

格助詞「から」

・格助詞「から」の4つの用法は『起点』『経由点』『手段・方法』『原因・理由』である。

格助詞「から」の用法と現代語訳

・『起点』 現代語訳:~から

・『経由点』 現代語訳:~を通って

・『手段・方法』 現代語訳:~で

・『原因・理由』 現代語訳:~ので、~によって

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