古文単語を覚える場合、その語感が分かれば単語が各段に覚えやすくなります。
効率よく古文単語を覚える一つの方法として、語感を提示し、その語感に当てはまる古文単語を答えるという方法で古文単語を学ぶ方法があります。
このページではこの方法をつかって古文単語の『シク活用の形容詞』を覚えることが可能です。
以下に、問題(解答付き)を並べていますので是非チャレンジしてください!
ク活用の形容詞 問題1~10
ク活用の形容詞についての問題(解答付き)です。
答え(クリック)をクリック(タップ)すると答えを見ることが可能です。
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】絶対的に良いという評価を表わす。
(【現代語訳】①よい。すぐれている。②正しい。③美しい。④身分が高く教養がある。⑤ふさわしい。)
よし(好し/良し/善し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】ぼんやりしていてつかみどころがない感じを表わす。はっきりしないような状態から不安な気持ちや期待する気持ちも表わす。
(【現代語訳】①ぼんやりしている。はっきりしない②気がかりだ。心配だ。③疑わしい。④待ち遠しい。もどかしい。)
おぼつかなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】動詞「有り」に形容詞「難し」が付いて生まれた語で、「存在することが難しい」という意味を表わす。
(【現代語訳】①めったにない。珍しい。②(めったにないほど)すぐれている。立派だ。③生活しにくい。④むずかしい。困難だ。)
ありがたし(有り難し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】動詞「愛づ(=賞賛する)」の連用形に形容詞「甚し(=はなはだしい)」が付いた「めでいたし」から生まれた語で、「大いに賞賛すべきようすだ」の意を表わす。
(【現代語訳】①すばらしい。立派だ。②魅力的だ。心ひかれる。)
めでたし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】物事が思いどおりにならず、憂鬱な気持ちを表わす。恋愛や人間関係にまつわるつらさのほかに、人が生きてゆく中で避けることのできない生の本質的なつらさやむなしさも表わす。
(【現代語訳】①つらい。いやだ。)
うし(憂し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「面」が「白い」で、目の前がぱっと明るくなるようなすばらしい自然の光景や、心が楽しく晴れやかになるような芸能や遊びのさまを表わす。
(【現代語訳】①趣がある。すばらしい。②興味深い。)
おもしろし(面白し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】これでよしとしてそのままに済ますことができない、つまり「放っておけない」が本来の意味で、放っておけないような大切なもの、尊重すべきもののさまであることから「最上級」の意味が生じた。いろいろな「最上級」を言い表す。
(【現代語訳】①捨ててはおけない。②並々ではない。格別だ。③高貴だ。尊い。)
やむごとなし(止む事無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】古代の人が自然の威力や霊力に対して抱いたおそれ多いという気持ちを表わすのが本来の意味。後に、おそれ敬うべき並み外れた学識・才能などのあるさまを表わすような意味が生じた。
(【現代語訳】①恐ろしい。こわい。②おそれ多い。もったいない。③すぐれている。立派だ。)
かしこし(畏し/恐し/賢し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「はかる」に「値する量」が「無し」なので、頼りにできるものがなく、心細い気持ちを表わす。
(【現代語訳】①頼りない。あっけない。②無益だ。③ちょっとした。取るに足りない。)
はかなし(果無し/果敢無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「子どもっぽいことをする」の意味の動詞「稚く(いはく)」の連用形に、形容詞を作る接尾語「なし(=性質が著しいことを表わす)」が付いてできた語。
(【現代語訳】①幼い。あどけない。)
いはけなし(稚けなし)〔ク活用〕
ク活用の形容詞 問題11~20
ク活用の形容詞についての問題(解答付き)です。
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Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】その場に居続けることができないほど「見苦しい」ものの様子や「気の毒」「恥ずかしい」思いを表わす。鎌倉時代以降、「傍ら」が「片腹」と誤解され、笑うべきさまの意味が生じた。
(【現代語訳】①見苦しい。苦々しい。②気の毒だ。心苦しい。③恥ずかしい。④ばかばかしい。笑止千万だ。)
かたはらいたし(傍ら痛し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】心がやたらに動きまわって落ち着かない感じや、気持ちばかりが先走り、じれったい気持ちや、気がかりで不安な気持ちを表わす。
(【現代語訳】①待ち遠しい。じれったい。②気がかりだ。不安だ。心配だ。③はっきりしない。ぼんやりしている。)
こころもとなし(心許なし)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】痛いと感じるほど程度がはなはだしいことを表わす。
(【現代語訳】①程度がはなはだしい。②すばらしい。③(からだに)痛みを感じる。④(精神的に)苦痛である。)
いたし(甚し/痛し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】語源は「連れ無し」で周囲と連動した反応が無いことを表わす。感情が表に現れない、こちらの気持ちや働きかけに関心を示さない、予想に反して無変化であるという意味を持つ。
(【現代語訳】①平然としている。②冷淡だ。薄情だ。③何の変化もない。もとのままだ。)
つれなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】理に合わないことや不調和などからくる受け入れがたい気持ち、つまり違和感を表わす。
(【現代語訳】①気にくわない。感心できない。②つまらない。おもしろくない。③(連用形の形で)むやみに。わけもなく。)
あいなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】理不尽で人の力や自分の心ではどうしようもない状態を表わす。また、そのような状態に対する苦々しい心情も表わす。
(【現代語訳】①どうにもならない。②つまらない。苦々しい。③正常でなく、乱れている。不当だ。)
あぢきなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】名詞「性(さが)」は「性質」の意味を表わす。評価できる性質がない、つまり「性質が悪い」の意味を表わす。思い遣りや控え目の美徳を欠き、露骨で意地悪なさまを言う。
(【現代語訳】①性質がよくない。意地が悪い。②口が悪い。③いたずらだ。)
さがなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「言うだけの価値がない」が原義で、言ったところでどうにもならないという意味や、価値が低くて話にならないという意味も生じた。
(【現代語訳】①言ってもしかたがない。どうしようもない。②取るに足りない。③ひどい。)
いふかひなし(言ふ甲斐無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】名詞「由(=物事の拠り所)」に形容詞「無し」がついて一語化した語であり、「由」の表わす「関係」「方法」「由緒」などがないこと、つまり「関係がない」「方法がない」「由緒がない」の意味を表わす。
(【現代語訳】①理由がない。②方法がない。③関係がない。④無益である。無駄である。⑤よくない。つまらない。)
よしなし(由無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】客観的に「都合が悪い」という意味が基本で、不都合を引き起こした者を「困ったことだ」ととがめる主観的な心情も表わす。
(【現代語訳】①都合が悪い。不都合だ。②困ったことだ。感心しない。③気の毒だ。かわいそうだ。)
びんなし(便無し)〔ク活用〕
ク活用の形容詞 問題21~30
ク活用の形容詞についての問題(解答付き)です。
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Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】上の立場の人が下の立場に降り立つことに対して、もったいないと恐縮する気持ちを表わす。
(【現代語訳】①恥ずかしい。②おそれ多い。もったいない。③ありがたい。もったいない。)
かたじけなし(辱し/忝し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】ついねたましく思うほど奥の深いものをほめる言葉である。相手の心の働きのすばらしさがうらやましく、自分には理解できないという心の働きも表わす。
(【現代語訳】①心ひかれる。奥ゆかしい。②恐れるべきだ。③不審だ。)
こころにくし(心憎し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】服装・髪型・性格・態度・規律など、さまざまなものについてきちんと整っていない様子を表わす。整っていないことが「堅苦しくない」と好意的な意味を表わす場合もある。
(【現代語訳】①乱れている。だらしない。②無造作である。ゆったりしている。)
しどけなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】見て心が安らかでいられるものの様子を言い表す。
(【現代語訳】①見苦しくない。感じがよい。)
めやすし(目安し/目易し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】心に心配事がないことや、気兼ねする必要がない状態を表わす。
(【現代語訳】①安心である。気楽である。②気軽である。③容易である。)
こころやすし(心安し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】人を後ろから見守って、その人の将来を心配する気持ちを言い表す。
(【現代語訳】①心配だ。気がかりだ。)
うしろめたし(後ろめたし)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】まともに見据えることのできないものの様子を表わす。いい意味で使われるときと否定的な意味で使われるときがある。
(【現代語訳】①まぶしい。②光り輝くほど美しい。③見ていられない。目をそむけたいほどだ。④恥ずかしい。)
まばゆし(目映ゆし/眩し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「技量」のほか「天分」「品性」「運」が人よりも劣っていることを表わす。
(【現代語訳】①下手だ。②劣っている。③下品だ。④不運だ。運が悪い。)
つたなし(拙し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】物事が度を越えてうるさく感じられるほどの様子を表わす。
(【現代語訳】①うるさい。わずらわしい。②おおげさである。はなはだしい。)
こちたし(言痛し/事痛し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】あれこれ決まらない様子を表わすこともあれば、逆に右がよいか左がよいかと迷うことのない態度を表わすこともある。
(【現代語訳】①どうとも決まらない。②ためらわない。言うまでもない。)
さうなし(左右無し)〔ク活用〕
ク活用の形容詞 問題31~40
ク活用の形容詞についての問題(解答付き)です。
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Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】余地が少なくて自由に身動きしたり、面倒が多くて気軽にふるまったりできないことを言う。
(【現代語訳】①場所が狭い。いっぱいだ。②窮屈だ。気づまりだ。③おおげさだ。仰々しい。)
ところせし(所狭し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「まさ」は期待・予想されるさまの意味であり、それが「無(な)し」と打ち消されていて、期待や予想からはずれているものの様子を言い表す。
(【現代語訳】①よくない。みっともない。②思いがけない。予想外だ。)
まさなし(正無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】動詞「妬む」の形容詞形で、瞬間的に感じるいまいましさを表わす。
(【現代語訳】①しゃくだ。いまいましい。)
ねたし(妬し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】中途半端で落ち着かないさまや調和の欠けた突出した様子とその時の気持ちを表わす。
(【現代語訳】①中途半端だ。どっちつかずだ。不釣り合いだ。②不愛想だ。③みっともない。④はげしい。強い。)
はしたなし(端なし)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「わり」は「ことわり(=道理)」の「わり」で、それが「無し」と打ち消されていて、道理にはずれていたり、常識を超えていたりするものの様子や気持ちを表わす。
(【現代語訳】①道理に合わない。無理だ。②並々ではない。はなはだしい。③耐えがたい。つらい。④しかたがない。やむを得ない。)
わりなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「術」は「手段・方法」の意味で、それが「無し」と打ち消されていて、事に当たって何の手段も方法もないことを言う。
(【現代語訳】①なすべき方法がない。どうしようもない。しかたがない。)
ずちなし(術無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「敢へ」は、もとは動詞の「敢ふ(=物事に対して十分持ちこたえられる)」であり、それが「無し」と打ち消され、もちこたえることができない感じや拍子抜けするほど簡単に終わったものの様子を表わす。
(【現代語訳】①あっけない。はりあいがない。②どうにもしようがない。お手上げだ。)
あへなし(敢へ無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「隈(くま)」は「光の届かないくらい所」という意味で、それが「無し」で打ち消され、「すみずみまで明るい様子」を表わす。月について言っているのであれば、満月を表わす。
(【現代語訳】①暗い所がない。曇りや影がない。②行き届いている。ぬけめがない。③あけっぴろげである。)
くまなし(隈無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】「付き」は「ぴったり」「しっくり」の意味で、心にしっくりとしないものの様子を表わす。
(【現代語訳】①心がひかれない。おもしろみがない。②気にくわない。気に入らない。)
こころづきなし(心付き無し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】物事が「ゆっくり」「ゆっくら」でなく、いきなり生じたことを表わす。
(【現代語訳】①突然だ。思いがけない。不意である。)
ゆくりなし〔ク活用〕
ク活用の形容詞 問題41~45
ク活用の形容詞についての問題(解答付き)です。
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Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】得たいの知れないものがむくむくとうごめいているような、ぞっとするほど気味の悪いものの様子を言う。
(【現代語訳】①不気味だ。気味がわるい。恐ろしい。②無骨である。)
むくつけし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】身分や立場がつりあわないのに、下の者が上の者に対して、まるで対等であるかのように図々しく振る舞うことを言う。
(【現代語訳】①身分不相応である。身の程知らずだ、②おそれ多い。)
おほけなし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】心がもやもやして、すっきりしないことを言う。
(【現代語訳】①気が晴れない。②不快である。)
いぶせし〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】見てはっきりとわかるものの様子を言う。
(【現代語訳】①明白だ。はっきりしている。②(「~もしるく」の形で)予想どおりだ。)
しるし(著し)〔ク活用〕
Q. 次の語感(現代語訳)を持つ古文単語を答えなさい。
【語感】ほかと比べたとき、各段の差があることを表わす。すぐれているときだけでなく、劣っているときにも用いられる。
(【現代語訳】①はなはだしく違う。格段の差がある。②格段にすぐれている。③格段に劣っている。)
こよなし〔ク活用〕
ク活用の形容詞の問題(解答付き)は以上です。
最後に
覚えたいことを脳に定着させるには、完全に覚えるまで繰り返し脳に同じ情報を与え続けることが重要です。
繰り返し学習するペースとしては、週に1回繰り返し取り組むぐらいが丁度よいかもしれません。頑張ってください!