古文の四段活用の動詞についてまとめましたので紹介します。

四段活用の動詞を紹介する前にまず、活用について解説したいとおもいます。

四段活用について

活用形とは、「未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形」のことで、動詞はすべてこの六つの形に活用します。

四段活用の動詞は「a・i・u・u・e・e」と活用します。ア(a)段・イ(i)段・ウ(u)段・エ(e)段と四つの段にわたって変化するので四段活用と呼ばれています。

古語の四段活用は、現代に至る過程で五段活用に変化しました。

五段活用「a/o・i・u・u・e・e」と活用します。ア(a)段・イ(i)段・ウ(u)段・エ(e)段・オ(o)段と五つの段にわたって変化するので五段活用と呼ばれています。

もともと四段活用だった動詞の未然形が推量・意思の助動詞「う」に接続する場合に、ア段ではなくオ段で接続するようになったために、五段活用に変化したのです。(打消しの助動詞(「ず」「ない」)に接続する場合は、昔も今も変化はなくア段に接続します。)

四段活用の変化の仕方「a・i・u・u・e・e」が覚えられないという人は、ここで紹介する四段動詞の全てについて活用を書いてみることをお勧めします。活用のリズムに繰り返し触れていくうちに、自然と脳や身体が覚えていく感覚が実感できるはずです。

古文 四段活用の動詞の一覧

さて、本題である古文の四段活用の動詞について紹介をしたいと思います。

古文の単語を理解する上で重要なことは、そのことばの語感を掴むことです。

我々日本人が、現代の基本的な生活上必要ないと思われる知識である古文を学ぶ理由のひとつが、この語感の獲得です。

古文のことばは現代のことばに通じているので、語感を学ぶことで言語感覚が豊かになります。

そして、ことばの感覚を磨くことがコミュニケーションの上達や文章表現力の向上など、基本的な国語力を伸ばす力になります。

国語力が伸びれば、社会生活を豊かに送れることが期待できます。

古文単語の習得は、暗記という無駄な作業をしているというネガティブな思考で取り組むのではなく、人間力向上につながるというようなポジティブな態度で臨めると良いです。頑張りましょう。

なお、以下のページで単語テストが実施可能です。何度も取り組んで脳に確実にインプットしましょう。

カ行四段活用の動詞

カ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

おどろく(驚く)〔カ行四段〕

【現代語訳】①びっくりする。②(はっと)気づく。③(ふと)目を覚ます。

【語感】物音などで「はっとする」の意味が基本。眠っている時に「はっとする」と、目が覚めるという意味になる。

【活用】〔未〕おどろかズ-〔用〕おどろきテ-〔終〕おどろく。-〔体〕おどろくトキ-〔已〕おどろけドモ-〔命〕おどろけ。

ありく(歩く)〔カ行四段〕

【現代語訳】①移動する。②歩く。歩き回る。③動き回る。④外出する。

【語感】移動するという意味が基本。移動手段は歩行に限らず、牛車や船による移動も含む。 【活用】〔未〕ありかズ-〔用〕ありきテ-〔終〕ありく。-〔体〕ありくトキ-〔已〕ありけドモ-〔命〕ありけ。

あく(飽く)〔カ行四段〕

【現代語訳】①満足する。②あきあきする。いやになる。

【語感】満ち足りる気持ちを肯定的に表すのが基本。満ち足りた気持ちがさらに進み、十分すぎると感じるような状態にまで発展すると、現代語「飽きる」と同様の否定的な意味「あきあきする」を表わす。

【活用】〔未〕あかズ-〔用〕あきテ-〔終〕あく。-〔体〕あくトキ-〔已〕あけドモ-〔命〕あけ。

かしづく〔カ行四段〕

【現代語訳】①大切に養育する。②大切に世話する。

【語感】大切な者として守り、世話をする意味を表わす。親が子供を愛育する場合と、夫が妻や愛人を、主人が乳母や女房を、人が動物を大事に世話する場合に使われる。

【活用】〔未〕かしづかズ-〔用〕かしづきテ-〔終〕かしづく。-〔体〕かしづくトキ-〔已〕かしづけドモ-〔命〕かしづけ。

わななく〔カ行四段〕

【現代語訳】①ふるえる。

【語感】寒さ、恐れなどで、手足や身体がぶるぶる震えることを表わします。震えは身体に限らず、声や楽器などの音声の場合もある。

【活用】〔未〕わななかズ-〔用〕わななきテ-〔終〕わななく。-〔体〕わななくトキ-〔已〕わななけドモ-〔命〕わななけ。

かづく(被く)〔カ行四段〕

【現代語訳】①かぶる。②(ほうびを)いただく。

【語感】「頭にかぶる」の意味が基本で、そこから「ほうびをいただく」の意味が生じた。四段活用の場合「ほうびをいただく」だが、下二段活用なら「ほうびを与える」と授受の方向が逆になる。

【活用】〔未〕かづかズ-〔用〕かづきテ-〔終〕かづく。-〔体〕かづくトキ-〔已〕かづけドモ-〔命〕かづけ。

ときめく(時めく)〔カ行四段〕

【現代語訳】①寵愛を受ける。②時流に乗って栄える。

【語感】人の熱い支持を受けて、時流に乗ることを言う。昔は、時の権力者に愛されれば、時流に乗ることができたため、「寵愛を受ける」という意味も持つ。

【活用】〔未〕ときめかズ-〔用〕ときめきテ-〔終〕ときめく。-〔体〕ときめくトキ-〔已〕ときめけドモ-〔命〕ときめけ。

カ行四段活用の動詞の解説は以上です。

サ行四段活用の動詞

サ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

やつす〔サ行四段〕

【現代語訳】①地味な格好にする。②出家して姿を変える。

【語感】高貴な人が自分の身分を隠すため人目に立たない格好をすることが基本の意味。

【活用】〔未〕やつさズ-〔用〕やつしテ-〔終〕やつす。-〔体〕やつすトキ-〔已〕やつせドモ-〔命〕やつせ。

もてなす〔サ行四段〕

【現代語訳】①振る舞う。②取り扱う。③もてはやす。大切に扱う。

【語感】ある対象にはたらきかけ、あることをなすことが基本の意味。対象が自分自身の場合「振る舞う」の意味になり、対象が物事である場合「取り扱う」の意味になる。

【活用】〔未〕もてなさズ-〔用〕もてなしテ-〔終〕もてなす。-〔体〕もてなすトキ-〔已〕もてなせドモ-〔命〕もてなせ。

かきくらす(掻き暗す)〔サ行四段〕

【現代語訳】①雲や雨が空一面を暗くする。②悲しみが心を暗くする。

【語感】雲や雨などが空や辺りを暗くすることが原義。そこから、「悲しい思いが心を暗くする」という意味も生じた。

【活用】〔未〕かきくらさズ-〔用〕かきくらしテ-〔終〕かきくらす。-〔体〕かきくらすトキ-〔已〕かきくらせドモ-〔命〕かきくらせ。

さす(鎖す)〔サ行四段〕

【現代語訳】①閉める。鍵を掛ける。

【語感】現代語の「閉ざす」は、もともとは「戸鎖す」。「鎖す」は扉を「閉める」「鍵を掛ける」ことを表わす。

【活用】〔未〕ささズ-〔用〕さしテ-〔終〕さす。-〔体〕さすトキ-〔已〕させドモ-〔命〕させ。

サ行四段活用の動詞の解説は以上です。

タ行四段活用の動詞

タ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

かこつ(託つ)〔タ行四段〕

【現代語訳】①かこつける(関係ないことを無理に結びつけてそのせいにする)。②不平を言う。文句を言う。

【語感】自分の思いに反することを相手のせいにして不平や不満をぶつぶつと述べること。

【活用】〔未〕かこたズ-〔用〕かこちテ-〔終〕かこつ。-〔体〕かこつトキ-〔已〕かこてドモ-〔命〕かこて。

まつりごつ(政ごつ)〔タ行四段〕

【現代語訳】①政治を行う。②世話をする。

【語感】名詞「まつりごと(=政治)」が動詞化したもの。政治を行うことを言う。(「~ごつ」は「~ごと」の動詞形を示す。)

【活用】〔未〕まつりごたズ-〔用〕まつりごちテ-〔終〕まつりごつ。-〔体〕まつりごつトキ-〔已〕まつりごてドモ-〔命〕まつりごて。

タ行四段活用の動詞の解説は以上です。

ハ行四段活用の動詞

ハ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

あふ〔ハ行四段〕

【現代語訳】①出会う。②結婚する。③男女が契る(肉体関係をもつ)。

【語感】現代語の「あう」と同じ「出会う」という意味のほかに、「結婚する」という意味を持つ。男女が「あふ」場合、単なる体面ではなく、多くは契りを交わすことである。

【活用】〔未〕あはズ-〔用〕あひテ-〔終〕あふ。-〔体〕あふトキ-〔已〕あへドモ-〔命〕あへ。

にほふ(匂ふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①美しく染まる。②照り輝く。③かおる。香気がただよう。

【語感】「丹(に)=赤い色」に「秀(ほ)=秀でている」が付いて動詞化した語である。赤い色が美しく映えるさまを表わすのが原義。本来、視覚的な美しさを表わしたが、平安時代には嗅覚的な香りのよさも表すようになった。

【活用】〔未〕にほはズ-〔用〕にほひテ-〔終〕にほふ。-〔体〕にほふトキ-〔已〕にほへドモ-〔命〕あへ。

うつろふ(移ろふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①色が変わる。②(心が)移る。心変わりする。

【語感】動詞「移る」の未然形に助動詞「ふ」(反復・継続)が付いた「移らふ」が一語化した語で、「移りゆく(変化する)」意味を表わす。特に花の色の変化や人の心の変化を表わす。

【活用】〔未〕うつろはズ-〔用〕うつろひテ-〔終〕うつろふ。-〔体〕うつろふトキ-〔已〕うつろへドモ-〔命〕うつろへ。

ならふ(慣らふ・馴らふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①慣れる。習慣となる。②慣れ親しむ。なじむ。

【語感】物事に繰り返し接して「習慣となる」が基本の意味。繰り返し接することから「なれ親しむ」の意味が生じた。

【活用】〔未〕ならはズ-〔用〕ならひテ-〔終〕ならふ。-〔体〕ならふトキ-〔已〕ならへドモ-〔命〕ならへ。

とぶらふ(訪ふ・弔ふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①訪れる。②見舞う。③弔問する。

【語感】単に「訪ねる」の意味と、「安否を尋ねて見舞う」の意味がある。見舞う対象が特に死者の遺族になると「弔う」という意味になる。

【活用】〔未〕とぶらはズ-〔用〕とぶらひテ-〔終〕とぶらふ。-〔体〕とぶらふトキ-〔已〕とぶらへドモ-〔命〕とぶらへ。

わづらふ〔ハ行四段〕

【現代語訳】①思い悩む。②苦労する。③病気になる。

【語感】心身両方のつらく苦しい状態を表わす。現代語の「患(わずら)う」は主に肉体的な意味で用いられるが、「わづらふ」はもとは精神的に苦しむことを表わしていた。

【活用】〔未〕わづらはズ-〔用〕わづらひテ-〔終〕わづらふ。-〔体〕わづらふトキ-〔已〕わづらへドモ-〔命〕わづらへ。

まどふ(惑ふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①心が乱れる。あれこれ思い悩む。②途方にくれる。③迷う。④あわてる。

【語感】心が混乱してあれこれ迷い、どうしたらよいかわからない状態を表わす。「心が乱れ迷う」という意味以外にも、「道に迷う」という意味もある。

【活用】〔未〕まどはズ-〔用〕まどひテ-〔終〕まどふ。-〔体〕まどふトキ-〔已〕まどへドモ-〔命〕まどへ。

おこなふ(行ふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①仏道修行する。②(行事・儀式などを)行う。③治める。

【語感】作法にのっとって「行う」ことが基本の意味で、仏教思想の行きわたっていた平安時代では、多くが仏道に関する行為を表わす。自動詞の場合は「仏道修行をする」の意味になる。

【活用】〔未〕おこなはズ-〔用〕おこなひテ-〔終〕おこなふ。-〔体〕おこなふトキ-〔已〕おこなへドモ-〔命〕おこなへ。

やすらふ(休らふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①ためらう。②とどまる。立ち止まる。③休む。

【語感】先に進まず、ぐずぐずと同じ所にいることを言い表す。身体が同じ所にいる場合は「とどまる」の意味になり、心がぐずぐずして決断しない場合は「ためらう」の意味になる。

【活用】〔未〕やすらはズ-〔用〕やすらひテ-〔終〕やすらふ。-〔体〕やすらふトキ-〔已〕やすらへドモ-〔命〕やすらへ。

おとなふ(音なふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①音を立てる。②訪れる。③手紙を出す。

【語感】「音」を動詞にしたもので、「音を立てる」ことを言う。来訪した際に、音を立てて知らせたところから「訪れる」という意味が生じた。

【活用】〔未〕おとなはズ-〔用〕おとなひテ-〔終〕おとなふ。-〔体〕おとなふトキ-〔已〕おとなへドモ-〔命〕おとなへ。

かたらふ(語らふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①語り合う。②交際する。③親しくする。

【語感】「語る」の未然形に助動詞「ふ」(反復・継続)が付いて一語化したもの。「語る」は相手をうなずかせる話し方であり、男女間でそういう会話が重ねられることは恋仲であることを示す。

【活用】〔未〕かたらはズ-〔用〕かたらひテ-〔終〕かたらふ。-〔体〕かたらふトキ-〔已〕かたらへドモ-〔命〕かたらへ。

ためらふ〔ハ行四段〕

【現代語訳】①心を静める。②養生する(病気やけががなおるようにつとめる)。

【語感】高ぶってくる気持ちや、高まってくる熱をぐっと抑えることを言い表す。

【活用】〔未〕ためらはズ-〔用〕ためらひテ-〔終〕ためらふ。-〔体〕ためらふトキ-〔已〕ためらへドモ-〔命〕ためらへ。

すまふ(争ふ・辞ふ)〔ハ行四段〕

【現代語訳】①争う。②抵抗する。③断る。

【語感】相手の働きかけに対して、それを拒否すること。言葉で抵抗するだけでなく、身を持って拒む場合にも用いる。

【活用】〔未〕すまはズ-〔用〕すまひテ-〔終〕すまふ。-〔体〕すまふトキ-〔已〕すまへドモ-〔命〕すまへ。

ハ行四段活用の動詞の解説は以上です。

バ行四段活用の動詞

バ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

しのぶ(忍ぶ)〔バ行四段/(バ行上二段)〕

【現代語訳】①がまんする(耐え忍ぶ)。②人目を避ける(人目を忍ぶ)。③恋心を包み隠す。

【語感】恋心や逢瀬(会うこと)などを「人に気づかれないようにする」の意味が基本。

【活用】〔未〕しのばズ-〔用〕しのびテ-〔終〕しのぶ。-〔体〕しのぶトキ-〔已〕しのべドモ-〔命〕しのべ。

あそぶ(遊ぶ)〔バ行四段〕

【現代語訳】①管弦を楽しむ。②詩歌を楽しむ。③狩り・行楽・遊宴などを楽しむ。

【語感】日常の生活から離れた世界に入り、自分の好きなことをして心を慰め楽しむという現代語と同じ意味を持つが、古語では管弦の遊び(楽器の演奏)に特定して用いられる場合が多い。

【活用】〔未〕あそばズ-〔用〕あそびテ-〔終〕あそぶ。-〔体〕あそぶトキ-〔已〕あそべドモ-〔命〕あそべ。

バ行四段活用の動詞の解説は以上です。

マ行四段活用の動詞

マ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

たのむ(頼む)〔マ行四段〕

【現代語訳】①頼みにする。あてにする。②信用する。信頼する。

【語感】人への期待や信頼について述べる語である。四段活用の場合「あてにする」だが、下二段活用なら「あてにさせる」と立場が変わる。

【活用】〔未〕たのまズ-〔用〕たのみテ-〔終〕たのむ。-〔体〕たのむトキ-〔已〕たのめドモ-〔命〕たのめ。

そばむ(側む)〔マ行四段〕

【現代語訳】①横を向く。②すねる。③かたよる。

【語感】「側」を動詞にしたものである。古語の「側」は「横」の意味を表わし、顔を横に向けていることを「そばむ」と言う。

【活用】〔未〕そばまズ-〔用〕そばみテ-〔終〕そばむ。-〔体〕そばむトキ-〔已〕そばめドモ-〔命〕そばめ。

すむ(住む)〔マ行四段〕

【現代語訳】①居住する。②(男が女のもとに)通う。

【語感】「居住する」「同居する」の意味のほかに、結婚後にまだ同居をしていない夫婦について、夫が妻のもとに通って生活することも「すむ」と言った。

【活用】〔未〕すまズ-〔用〕すみテ-〔終〕すむ。-〔体〕すむトキ-〔已〕すめドモ-〔命〕すめ。

なやむ(悩む)〔マ行四段〕

【現代語訳】①苦しむ。困る。②病気で苦しむ。③あれこれ非難する。

【語感】心が「悩む」だけでなく、身体についても「悩む」ことを表わす。つまり、身体的・精神的につらく苦しい状態になること。思い悩んでいることを口にするところから「あれこれ非難する」という意味もある。

【活用】〔未〕なやまズ-〔用〕なやみテ-〔終〕なやむ。-〔体〕なやむトキ-〔已〕なやめドモ-〔命〕なやめ。

マ行四段活用の動詞の解説は以上です。

ラ行四段活用の動詞

ラ行四段活用の動詞について、現代語訳や語感について解説します。

ののしる〔ラ行四段〕

【現代語訳】①大騒ぎする。大声で騒ぐ。②評判になる。うわさになる。

【語感】「大きな声で騒ぐ」の意味が基本。世間が「大きな声で騒ぐ」ことから、「評判になる」という意味が生じた。

【活用】〔未〕ののしらズ-〔用〕ののしりテ-〔終〕ののしる。-〔体〕ののしるトキ-〔已〕ののしれドモ-〔命〕ののしれ。

まもる(守る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①見つめる。②警戒する。③防ぐ。守護する。

【語感】「まもる」は「目守る(=見る状態を保つ)」で、「目を離さずじっと見つめる」の意味が基本である。

【活用】〔未〕まもらズ-〔用〕まもりテ-〔終〕まもる。-〔体〕まもるトキ-〔已〕まもれドモ-〔命〕まもれ。

わたる(渡る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①行く。来る。通る。移る。②年月が過ぎる。③広い範囲に及ぶ。

【語感】「行く」や「来る」など、移動することを広く表わす。現代語ではその使用範囲が狭くなり「川を渡る」「橋を渡る」などの場合に使われている。

【活用】〔未〕わたらズ-〔用〕わたりテ-〔終〕わたる。-〔体〕わたるトキ-〔已〕わたれドモ-〔命〕わたれ。

しる(領る・知る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①(国を)治める。②(土地を)領有する。③理解する。④経験する。

【語感】対象をしっかりと自分のものとしていることが基本の意味。知識を持っている意味の「知る」のほかに、「土地を持っている」「国を治めている」という意味の「領(し)る」がある。

【活用】〔未〕しらズ-〔用〕しりテ-〔終〕しる。-〔体〕しるトキ-〔已〕しれドモ-〔命〕しれ。

さはる(障る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①妨げられる。②差し支える。

【語感】支障や不都合があって、しようとすることが邪魔されることを言う。

【活用】〔未〕さはらズ-〔用〕さはりテ-〔終〕さはる。-〔体〕さはるトキ-〔已〕さはれドモ-〔命〕さはれ。

さる(避る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①避ける。②断る。辞退する。

【語感】物事から身を避けることが基本の意味。動詞「さる」には「避る」以外にも「去る」があるので注意が必要。

【活用】〔未〕さらズ-〔用〕さりテ-〔終〕さる。-〔体〕さるトキ-〔已〕されドモ-〔命〕され。

いたはる(労る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①骨を折る。苦労する。②病気になる。③世話をする。

【語感】身も心も疲れ果てたことを言う。心を尽くせば「苦労する」の意味となり、身体を尽くせば「病気になる」の意味になり、心と身体を尽くして相手を大切に「世話をする」という意味にもなる。

【活用】〔未〕いたはらズ-〔用〕いたはりテ-〔終〕いたはる。-〔体〕いたはるトキ-〔已〕いたはれドモ-〔命〕いたはれ。

おこたる(怠る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①なまける。②病気がよくなる。快方に向かう。

【語感】進行していたものが停滞・失速することを言う。病勢が衰えて症状が収まるという良い意味で使われることもある。

【活用】〔未〕おこたらズ-〔用〕おこたりテ-〔終〕おこたる。-〔体〕おこたるトキ-〔已〕おこたれドモ-〔命〕おこたれ。

おもひやる(思ひ遣る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①想像する。②人の身の上・心情などに思いをめぐらす。きづかう。

【語感】あるものに対して「思い」を「遣る(=はせる)」こと。相手の身になって思いをはせる場合と単純に思いをはせる(=想像する)場合があります。

【活用】〔未〕おもひやらズ-〔用〕おもひやりテ-〔終〕おもひやる。-〔体〕おもひやるトキ-〔已〕おもひやれドモ-〔命〕おもひやれ。

たばかる(謀る)〔ラ行四段〕

【現代語訳】①工夫する。思案する。②だます。ごまかす。

【語感】策を練って事に当たることを言う。

【活用】〔未〕たばからズ-〔用〕たばかりテ-〔終〕たばかる。-〔体〕たばかるトキ-〔已〕たばかれドモ-〔命〕たばかれ。

ラ行四段活用の動詞の解説は以上です。

四段活用の動詞の紹介は以上になります。

単語テスト(四段活用の動詞)

単語テストは次のページから行えます。

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